犬との童話な毎日
シャツの裾がだらしなくズボンのウェストから出ている。
「小娘はここにいたいのか?俺は帰るが」
ちらり、と子犬を見ればこちらを見上げていて。
まるで会話が分かっているのかのように、黙って成り行きを見守っているように見えた。
「……で、でもこの犬に用事があったんじゃないの?」
「別にない。こいつが呼んだから一応様子を見に来ただけだ」
「……それってあんたに一緒に飼い主探して欲しいからじゃないの?」
用事がない、って言い捨てたけど。
あたしの突っ込みに黒曜の唇がに、と弧を描いた。
「……ならば小娘がやってやればいいんじゃないのか」