犬との童話な毎日
「六花には普通の人には見えない何かが見えてたんだと思うのよねぇ」
初めて聞いた。
ちょっとびっくり。
「え、ごめん。あたしだったらそんな子供やだ」
あはは、と明るい笑い声を上げて、お母さんが湯気を上げるマグカップに手を伸ばす。
我が家はコーヒーも紅茶も日本茶も。
何なら冷たい麦茶だってマグカップだ。
「おばけがいるー、って言わないだけマシだったわよ」
いや、でもどっちにしても気味が悪かったんじゃないかな。
申し訳ない。
「犬を見て泣くのも小さい頃からだったのよね。でも小さい頃は怖がってなかったのよ。まあ触りながら泣いてるから変な子だな、って思ってたんだけど」