犬との童話な毎日

え〜、とどよめいた生徒達に、容赦無くプリントが渡されて行く。

あー、あたし社会苦手なんだよね。
あー、無理。
絶対無理。

「平均行かなかった奴は、宿題出すからなー。
気合い入れろよ」

あー、やっぱ無理。
ちらり、と手元のプリントに目をやって、苦い顔をしていたら。
床に座ってあたしを見上げる呆れ顔の黒曜と目が合った。
黒曜は学校に居る時は、大体あたしの机の横にちょこん、と座っているか、教卓の上に寝そべっている。

学校に着いて来た最初の日は、うるさい位はしゃいだけど、代わり映えのしない授業風景に慣れたみたい。

気が散るから、見ないでよ。

目で訴えると、黒曜は鼻を鳴らしながらベランダに出て行った。
外を眺めるその後ろ姿を横目に、プリントにもう一度目を落とした。


< 42 / 311 >

この作品をシェア

pagetop