犬との童話な毎日

そして、皆には見えて無い事が分かった。
今、あたしが見ているモノが。

「あー……む、虫が飛んで、て……。
スミマセンデシタ」

頭を下げると、周りから忍び笑いが聞こえた。
笑われてるけれど、今はそんなの気にならない。

「八坂ー、テスト嫌だからって妨害すんなよ。
すんならもっと豪快に行けよなー」

いつも面倒臭い高城への対応も、今は放置。
茫然としたままのあたしに、虫ごときで驚かすな、と先生は呆れ口調で、教卓に戻った。

すぐに周りからは、こつこつ、解答を書き込む音が聞こえてきたけれど、あたしは手を付けられないでいた。

だって。
これ、どうしろっていうの?


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