犬との童話な毎日

黒曜には悪いけど、あたしの犬嫌いはまだ健在なんだ。

あたしにしか見えない茶色い犬の背中を目で追いながら、頬杖を付いた。

「ねぇ、お母さん」
「んー?」
「あたし、大根おろしに紫蘇入れたやつがいいな」

ハンバーグにはおろ紫蘇バーグが一番。
でも何故か家族の中でその食べ方をするのは、あたしだけなんだけどね。

「六花の好みは渋いわね。
女子高生なら普通デミグラスでしょ」
「それ偏見だし。
そもそもお母さん、そんなこ洒落たヤツ作れるの?」
「まぁ、作れないんだけどね」

お母さんが笑いながら刻んだキャベツを水に浸ける。

普通刻む前に水に浸けるもんじゃないの?
って前に聞いたら、切ったまま置いておくと栄養が無くなっちゃうんだよ、って言ってた。


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