犬との童話な毎日

「……」

『まぁ本当の所は当人にしか分からないがな。
昨日の腹の赤児が、奥底でどう思っているのか。母親も、腹の子を心底疎ましく思っているのかは本当の所は分からないが』

そう言いながら、黒曜が机の上に寝そべる。
欠伸を一つ、大きな裂けた口で。

『だが、綺麗な物だけでこの世は出来ていないのは確かだな』

親殺し、子殺しすら珍しくは無い、この世界に。
親から愛されずに、求められずに。
そんなのだったら最初から産まれない方がいいのかな。

ゆらり、と揺れた尻尾をぼんやりと眺めてから、又夜空を見上げた。

あたしの小さな疑問は、窓ガラスに当たって落ちた。


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