犬との童話な毎日
けっ、と嫌そうにそっぽを向いたつんつん頭の隣りで悠が、床から立ち上がる。
今日は、ふんわりカールさせた毛先が可愛いポニーテールだ。
「何か、校庭とか中庭とかに出るらしいよ」
内緒話しでもするかの様に少し潜めた声に、そこに宿る悪戯っぽい響き。
「出るって何が?」
高城が悠を見上げて、アホ面を晒す。
体育館の中には大分人も少なくなっていて、あたし達の会話に加わるクラスメートも居ない。
次の授業もあるんだから、早く教室に戻らなきゃいけないのに。
未だに高城は床に座り込んだまま。
落ち着きの無さもクラス1だけど、こういう変にマイペースなとこもクラス1かもしれない。