犬との童話な毎日
「お化けとかー?」
「馬鹿らしい、んなの居るか」
出る、と言えばお化けだろう。
そんなあたしの安易な言葉を馬鹿にしたように、高城が後ろ手に床に手を付いて上半身を仰け反らせながら笑う。
「うっさい、早く立ちなよ」
「痛てっ、お前頭を叩くんじゃねーよ」
「じゃあ頭じゃ無いとこにするわ」
「馬鹿っ、そんな問題じゃねーだろが。背中叩くなっ」
ようやく高城があたしの手から逃げようと、立ち上がる。
追いかけっこを始めたあたし達から、黒曜が迷惑そうに離れて行く。
どうせ触ったり出来ないんだから、そのまま床に寝そべっていればいいのに。
しなやかな肢体をうねらせて、一足先に出入り口から出て行く。