犬との童話な毎日
心の中で黒曜に噛み付いていると、隣りで悠があたしの溜め息に反応した。
「やっぱり六花はそういう反応すると思ったんだー。大丈夫だよ、犬が近寄って来たらボクと冬馬くんで追い払ってあげるから」
知らない人からしたら少し背の高い僕っ娘にしか見えないだろう、可愛い可愛い笑顔で、悠があたしの顔を覗き込む。
ぴょこん、とポニーテールが悠の頭で揺れる。
悠の後ろで高城が俺はやんねー、と騒いでいたけど完全無視。
教室に向かって階段を登り始めたあたし達の後ろを、黒曜が軽い身のこなしで着いて来る。
悠さん、早速この化け犬からお願い致します。
そう心の中で頭を下げてお願いしたのは皆には内緒。