人気女優がタイムスリップ!? ~芸能界⇒島原⇒新選組~
飛鳥 side


彰はとっても利用できる。


その、意志の強そうな澄んだ瞳。口では俺にそういうけれど、内では俺を信用してる。


あぁ、この世はつまらない。






「乙葉ちゃん、か………
たしか、彰が猫好きだて言っていたな。」


「独り言なんかお前らしくないな。……気持ち悪いぞ。」


「………………」


「無視かよ。」


こういう情報は利用できる。すべてが、俺の手のひらで踊る操り人形。


「今回は、どんな舞台が始まるのかな?」


「さっきから、ぶつぶつ五月蠅い。
早く仕事に行かなきゃなんねぇだろ。」


「俺に命令するの?
君はいつからそんなに偉くなったんだい。」


「ああいえばこういう(ボソッ

あっ、おい! いつも言っているだろう。人の話を最後まで聞けって。そうやって、前ばっかり向いて進んでいると、いつか足元救われるぞ。」


「わかった、わかった。」


瞳がきれいなこの男は嫌いじゃない。


それは彰も同様。瞳はその者の心のきれいさを表す。だから利用しやすいし、この男は己が利用されているのを知っていても尚、俺のそばにいる。


あぁ、この世はつまらない。







「ほら、だから早く聞いておきたかったなんだよ。厄介な奴が来るまでにね………」


この男が、沖田総司か。
何かを秘めていそうな、澄んでいるようで淀んでいるその瞳。


「君は気に食わないな。」


俺が悪役だってこの男はいっていた。


俺が悪だったら、この世はどうなる。この腐った世を創っている腐った奴らはどうなる。腐った世を利用して己の思うがままに生きている腐ったやつらはどうなる。


たとえるなら、俺は羽根をもがれた哀れな鳥。俺は親がつけたこの名前が恨めしい、今の俺とは正反対のこの名前が。


俺は羽根をもがれた哀れな鳥じゃない。自ら羽根をもいだ滑稽な鴉さ。


もうすぐだ、もうすぐ全てを鴉のように真っ黒に染めてやる。


俺の様に、自分の哀れさに嘆いて絶望に浸るといい。


彰、そうすれば俺はお前と同じようになれるだろうか………
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