人気女優がタイムスリップ!? ~芸能界⇒島原⇒新選組~
私と悠斗は幼馴染なので、分家の子供の中で一番仲が良かった。


そのためか、悠斗は毎日のように家に来て夕飯を食べたり、父様と母様と仲良く喋ったりしていた。


………さすがに、家に泊まったりするのは小学生までだったけどね。


昔の思い出にふけっていた私は、悠斗が私を呼ぶ声で現実に引き戻されていた。



「彰!どうしたんだ?」


「なんでもないよ。ちょっと思い出にふけっていただけ(笑)」


「?なんだそりゃ?」




「それで、彰。昨日はどこに行ってたんだ。」


父様に話があるといわれ、私たち4人は1階のリビングに来ていた。


「…わかってるくせに、父様のいじわる。」


父様に聞かれ、私は黙り込んでいた。


「あのなぁ、俺たちはお前を心配して言ってるんだぞ?」


「分かってるよ、そんなこと。私も、このままじゃいけないってことくらい分かってる…………

高校にも行かないで。毎日毎日、繁華街をふらついて。でも…でもどうしていいか分かんないんだよ。」


「彰…」


3人は、私のことを心から心配してくれている目で見てくれた。


「私は…私のことを心から心配してくれている人たちが3人もいるんだ。
それに、紗代ちゃんだって毎日私に電話をくれる…それで、それだけで十分だよ。」


「「「あ゛~き゛~ら゛~(泣)」」」

そう言って3人は、私に抱き着いてきた。


「わっ、ちょっと!もーう、鼻水付くじゃん。」


そういった私の顔は嬉しそうに歪んでいたと思う。


「ちょっと、どさくさに紛れてどこ触ってんのよ!!」


「あっ、ばれた!?いやー、いい体してんなとおもって。」



アハハハハ!! 



私は、家族に恵まれていたんだと思う。もし、私が一人だったら…
そう考えただけでも恐ろしかった。
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