風の詩ーー君に届け
15章/出藍之誉――青は藍より出でて藍より青し
Xceon(エクシオン)のコンサート終了後。

Xceon(エクシオン)楽屋を訪れた詩月はマネージャーから、丁寧な礼を述べられた。


開演前の様子とは、あまりに違うマネージャーの対応。

マネージャーは、戸惑う詩月に「前任者が君を彼らと離そうとした訳がわかった」と、ポツリ告げた。



詩月がアンコールで「Jupiter」に調和させて弾いた「愛の挨拶」は、Xceon(エクシオン)の3人から、側にいた郁子も巻き込み、詩月は思い切りツッコミを入れられた。



帰りの電車の中、郁子は口数少なめで、普段の彼女からは想像もできないほどしおらしかった。


郁子は家まで送り届けようと思っていた詩月に、最寄り駅まででいいと言い、詩月は郁子をタクシーに乗せて見送った。
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