【完】お隣さんは泥棒さん!?



カリンは驚くことなく俺の言葉に耳を傾けた。


そして俺もカリンに隠すことなく全てを話した。





幼いころから両親が金持ちだった俺は何不自由なく暮らしてきた。

でも、俺の父親は元々男が好きだったらしく母親と結婚したのはそれをカモフラージュするためだったらしい。



幼かった俺はそんな父親と他の知らない男が混じり合う姿を見ても、何も思わなかった。


楽しそう。ただそれだけだった。



『愁、混ざりたいのか?』


そんな父親の言葉に俺は頷いてしまった。


あれはそう、まだ5歳。



俺は5歳にして全て父親に奪われた。


父親はとてつもなく喜び、俺を金儲けのアイテムとしても使うようになった。



男が男を求めるのは最近の世の中では当たり前だ。

だから、俺は毎回高く売られた。



俺は身体的にも精神的にも徐々に苦しくなっていった。


体が大人に近づいていく程余計にそうだった。




『何故逃げる?お前も俺と同じではないのか?男が好きではないのか?』



いうことさえ聞けば好きなものはなんでも買ってもらえた。

願いは何個でも叶えてくれた。



でも、俺が物心ついたころに一番欲しかったものはくれることはなかった。



『父様、僕は女の子と"恋"がしてみたいです』
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