HONEY TRAP(1)~上司は身勝手な婚約者~
「今は『オウミ建設』で働いている」



「お前だって才能あったのに、独り立ちして…建築家にはならなかったのか…」



「いろいろとあって…組織の中に入った」





「ふうん」




浅見は缶ビールをグイッと飲み干す。ヤツの喉仏が美味しそうに動いてビールを通していく。



「あれ?浅見…結婚してるのか?」




「んっ?あぁ…」


ヤツは、はにかみながら頷いた。



浅見の薬指の銀色のマリッジリングを幸せそうに輝く。




「1年前に結婚した。もうすぐで結婚1周年だ」



クールな浅見が照れ臭そうに笑って俺に話をする。




「奥さんがどんな女性だ?」




「どんなって…笑顔が可愛いぞ。華道の家元の娘で、お袋のススメで見合い結婚した」


「マジで?お前が見合い結婚!?冗談にしか聞こえない」




「100人訊いたら100人…嘘だと言う…俺は見合いで結婚するタイプに男じゃないらしい」


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