サイコーに愛しいお姫様。



「あの……最後に名前だけ教えてもらっていいですか?」



少し涙ぐんで言う花梨ちゃん。ハンカチを差し出してできるだけ優しく答えた。


「土屋直哉……です」


「土屋さん。ありがとうございました」



ハンカチを受け取って頭を下げてそのまま彼女は俺の前から走り去っていった。



淡い女子高生の恋か……なんか切ない…。断るほうも痛い。



「あ。名前……言ってもよかったかな?」



なおの名字……いや、それくらいでばれるわけないよな。うん、きっとばれない。



そのまま、携帯を取り出して心配していたなおに電話をかける。



「なお。今、花梨ちゃんに断ったから」


『……花梨ちゃん大丈夫だった?』


「……少し、泣いてた」


『……そう』



なおも元気のない声。みんなテンション低くなっちゃってるよ。



「今日定時に帰れるように頑張るから仕事帰りに飯食べに行かない?」



行きつけのレストランの前で待ち合わせの約束をしてそのまま電話を切った。 



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