俺様不器用男子の甘い愛情



それでもやっぱり、いざ教室に行き本人を目の前にするとダメ。


あたしの弱さが滲み出る。


“ごめん”の3文字ってこんなに難しいものですか?


結局今日も話せなかった……。


玲菜や恭平くんに申し訳なさを抱きつつ、一人下駄箱に向かう……と。



今一番会いたいけど、会いたくない人。


「隼世くん…?」

「茉璃……」


ぎこちない気まずい空気が漂う。


どうしよう!?


なんて話し掛けたらいいのでしょう!?


あたふたと焦ってるあたしとは、真逆に隼世くんはスパイクに履き替えて行ってしまう。


待ってよ……隼世くん。



「あっ、あの……隼世くん。そのっ…」

「部活……急いでっから。ごめん」

「あ……うん…」


じわりとぼやける視界で、ジャージ姿の背中を眺める。


たったあの一瞬で、こんなにも広くて深い隙間が出来るなんて……。


どうしたらまた好きって言ってくれますか?


あたしは………隼世くんが好きなのに。


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