来い恋

私の初恋と今の気持ち

亮輔さんはなんとなく私と視線を会わせないように話をした。
私と亮輔さんの出会いがまさか、あのおばさんの通夜と葬式のときだったとは・・
私の記憶は曖昧であのお兄ちゃんは大学生だと思っていた。
学生服ではなく礼服を着ていたから・・・
それにあのお兄ちゃんとは後にも先にのも通夜と葬儀の2日間だけで
それ以降会っていなかった。
だからそのお兄ちゃんが亮輔さんだったなんて思いもしなかった。
たしかにお兄ちゃんはかっこよかった。
でも小学生だった私は、お兄ちゃんの顔などうっすらとしか憶えてなかった
かっこよかったという記憶だけで目、鼻、口といったパーツは憶えていなかった
ただ私はそのお兄ちゃんに淡い恋心を抱いていた事だけは憶えていた。
「・・あの時のお兄ちゃんが・・・亮輔さんだったの?」
亮輔さんは私の顔を見つめ頷いた。
「・・・・18歳の男が11歳の女の子に恋をしていたなんて
恥ずかしくていえるわけないだろ~」
たしかに・・・言いにくいよね。
でも・・・私は今の話を聞いてうれしいと思う気持ちの方が大きかった・・・
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