来い恋
亮輔さんの目は真剣で今の告白が嘘ではないと思った。
それでもこれは夢なんかじゃないのかと自分の頬をつねってみようとすると
その手を亮輔さんが握ってきた。
「芽依、俺と恋愛しよう。恋愛経験がない事がなんだっていうんだ?
だったら俺が芽依の恋愛スキルをUPしてやるよ。」

「恋愛経験値ゼロからのスタートですよ。それでもいいんですか?」
亮輔さんはとびっきりの笑顔で私を見つめた。
「大歓迎。俺が初めての男になるなんて光栄だよ。」

亮輔さん、初めての男って言葉なんかエロよ!・・・・・・
それにもうすでにハードル高いんですけど
私の顔がみるみる赤くなって湯気が出そうだった。

そんな私の顔をみて今度はゲラゲラ笑いだした。
そこまで笑わなくてもいいのに・・・なんだか悔しくって睨んでみた。
「ごめん。芽依がかわいい顔するからいけないんだ。」
ずるい!なんでそんなドキドキする様な事言うの!
心臓が痛いよ。
「芽依」
名前を呼ばれて顔をあげるとものすごく顔が近くにあった。
びっくりしてのけぞりそうになると肩を掴まれた
「好きだよ。俺と恋人になってくれるね。結婚前提だけど・・・」
と口角をあげた。
もうだめ・・・胸の少し上がキューっとして痛い。
こんなの初めてだよ。どうしよう・・・言葉がうまく出てこない。
「返事は?」
本当は断る予定でいた。
だってまだそんな気なかったんだから・・・
でもそれは写真を見るまでのこと・・・相手が課長なんて思ってもいなかったんだから
お断りしたら理由を言えとかいうんだろうな。
でも正直断る理由が出てこない。・・・いや、断る理由がないんだ。
答えは決まってたんだろうな・・・・
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