忠犬カノジョとご主人様
俺はニコニコしながら心の中で仕分けをしていた。
そして最後の双葉さんの言葉に全神経を集中させた。
「わ、私はどうだろ……私のことウザがらないでいてくれる人かな……」
「え」
「クルミはね、いっっつも重いって言われてふられちゃうんだよ~」
「そ、そうなんだよね、ちょっと行き過ぎた尽くし癖があって……」
小竹は重いという言葉にすっかり引いてしまっていた。
対する俺は尽くしてもらうことに憧れを抱いていたので益々双葉さんに興味がわいた。
俺の中で双葉さんの好感度がぐんぐん上昇していった。
そんなこんなで結局まんべんなく話題をふっていた俺は双葉さんとあまり会話する機会もなく終わってしまった。
二次会こそ、二次会こそ話しかける……!
「八神、二次会行くよね?」
「もち」
「じゃあ帰るのは双葉さんだけかー」
「え」
その言葉に、俺は絶句した。
え、帰る……? 双葉さん帰る……?
そんなんだったら二次会行く意味ないじゃんか!!
かなり焦りまくった俺は、既に笑顔で手を振って帰ろうとしている双葉さんを追いかけた。
「待っ、待ってください!」
「えっ」