【完】私と先生~私の初恋~
その日、私は初めて先生と一緒にベッドに横になった。


先生はやらしい事は一切せず、ただ向き合った私を抱きしめているだけだった。


安心感と暖かさで心はすごく安らいでいたのに、私はなかなか眠ることが出来ず「先生…」と小さく声をかけた。


「…なんですか?」


先生も起きていたようで、すぐに返事が返ってきた。


「先生と〇〇さんは…どういう知り合いなんですか?」


「このタイミングでそれを聞きますか。」


先生はプッ吹き出した。


「……あれは嘘です。」


驚いて先生を見上げる。



「まぁ…名前と何をしてる人か位は知っていましたけど。」


「何で嘘ついたんですか。」


私が少し怒った様に言うと、先生は苦笑いした。


「…まぁ、もういいじゃないですか。」


先生は困ったように笑いながらそう言うと、私をグッと抱き寄せた。


「でも…」


「いいからもう寝ましょ。


これ以上このままで起きてたら僕、貴女に何するか解りませんよ?」


私は急に恥ずかしくなって、布団の中に顔を埋めた。


「…もうこれからは、貴女に怖い思いも、辛い思いも、絶対にさせませんから。」


先生は私の頭を、私が寝付くまでずーっとずーっと優しく撫で続けていた。
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