浅葱色に射す一筋の光





結局、屯所に着いたのは明け方だった。


  土方がバイクを引いて…私は放心状態のまま歩いていた



  みんな門で待っていてくれた…



  私の怪我を見てみんな目を丸くしてたけど帰ってきたことを喜んでくれた。


数刻後…芹沢の葬儀が盛大に行われた。


涙を流す人も少なくなかったことから、
芹沢は慕われていたことが分かる。
 


    翔は涙が出なかった。



平間は…脱走…。何もかも歴史通り。


  平隊士「翔の奴…芹沢さんと親しかったのに…涙も流さないとは…」


  平隊士「…薄情な奴だな…」


平隊士「見ろよ…あの…平然とした顔」


  土方は平隊士を睨みつけると…



立ち上がり…ガゴン ガゴン ガゴン



 土方「……黙らねぇと殺すぞ!!!」


   一瞬で静まり返った広間…


 土方「…また一番組か…総司…後でたっぷり可愛がってやれ…」



   総司「もちろんです!!!」



  翔は立ち上がり…フラフラと芹沢の眠る場所へと行き…横に座り…頬を撫でた…


  翔「…痛かったよね…悔しかったよね…生きたかったよね…芹沢さん…

  何故ですかね…泣けないんです…

 心臓が破裂しそうなほど苦しいのに…

  泣けないんです…すいません…」


  髪が乱れないように…そっと頭を撫でた


  翔「…お疲れ様でした…私が逝くまでお梅さんと待ってて下さい…そんなに待たせませんから…」



  キョロキョロ辺りを見渡した…



  あっ…そうか…梅ねぇは隊士じゃないから無縁仏なのか…


    翔「…梅ねぇは?」


    土方「八木邸だ」


 立ち上がり…八木邸へ向かった…。



  ーーーーーーーーーーーーーー



 顔を白い布で覆われて寝ている梅。

  
  布を取ると…少し触れたら首が離れそうだった。


  翔「梅ねぇ…芹沢さんに会えた?ごめんね…2人を守れなくて…弱くてごめん…梅ねぇ…起きてよ…話してよ…お姉ちゃん…」


  しばらく梅の所にいたが…針と糸を持ってきて、首を丁寧に縫い合わせた。


  いつも女らしさを追求していた梅ねぇをこんな姿で見送れない…


お線香をあげ、翔は歩いて丘に来ていた


 桜の木の下に座って空を眺めた…



  芹沢さん…梅ねぇ…新見さん…平山さん…  役立たずの私を許して下さい…



  
  ーーーーーーーーーーーーーー





葬儀が終わり…部屋に戻るが翔はいない。
 

  梅のところへ行くが…いない


      っっっ!!! 


  白い布から梅の首が縫い合わされているのが見えた。



    土方「八木さん!!!」


    八木「はいはい。」


    土方「梅さんの首…」


  八木「あぁ。翔はんが可哀想やって縫って行きよった…」


   土方「何時だっっっ!!!」


   八木「…半刻程前やったのぉ」


   土方「…どこ行きやがった…」


  八木「すんまへん。そこまでは聞いてまへん」


  土方は走り出し、行き交う人に翔を見てないか聞いていた…




  土方と総司は丘へ向かった…



   平助と源さんは角屋へ… 



  
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