彼の秘密と彼女の秘密


しばらく嵐も大人しかった。


1ヶ月が経ち、瑠璃が

「みんなでピクニック行こうよー!!」

と言い出した。

「ええなぁ!」

「ちまき、エビチリ、ショウロンポウ、ユーチンリー、チンジャオロースー等!!」

「お前すごいなぁ...」

「ラーメンはないよー」

瑠璃は可笑しそうに笑う。



瑠璃はだんだん元気になってきた。
はじめは食事も食べず、睡眠もしないで、見るに耐えない状態だった。
凛も心を痛めていた。

でも凛の言葉で救われた。

「瑠璃、いつまでも悲しんでいたら赤ちゃんが天へ還れないですよ。
みんな死んだら体は土に還るけど、魂は神様の元へ還るんですよ。
次、瑠璃に赤ちゃんができた時に、瑠璃の元へ戻るように祈りましょう」

「...そうだよね。いつまでも悲しんでたら赤ちゃんが還れないよね。
明日からは元気な瑠璃に戻るよ」


そんなやりとりがあったのだ。
そして今の瑠璃は空元気ながらもみんなと楽しそうにしている。


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