俺様とネコ女
「明日仕事だね」

「言うな。憂鬱になる」

「コウでも憂鬱になるの?仕事大好きなんじゃないの?」

「睡眠が足りねえんだよ、朝起きるのがイヤなんだよ」

「何それ子ども」


チ、盛大な舌打ちと、遠慮なしの睨み。そんなことじゃめげないし。


「明日キスで起こしてあげるからね」

よしよし、頭を撫でると、コウは優しく笑った。


「秘書課はどうなんだ?」

「えーどうだろ。皆さんお優しいです」

「役員は?専務とか」

「専務はヤバい。めちゃくちゃ切れ者。頭がよくて視野が広くて決断力があって。あとね、いろいろくれる優しいおじさんの一面もある」


は?と怪訝な顔。

「立場上来客で手土産もらうこと多いでしょ?みんなでっていっぱいくれる」

「餌付けされんな、ボケ」

「ネコ扱いすんな、ボケ」


走行中の助手席の窓が開きだした。全開まで下がってニヤリとも笑わず恐ろしい言葉。


「降りるか?見送ってやる」

「もう言いません・・・」


なんて言いながら、顔のにやけが止まらない。とにかく楽しい。
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