俺様とネコ女
駐車場に向かっていると、突然舌打ちをしたかと思うと、いきなり抱きしめられた。抱きしめる腕の力は強くて、呼吸の仕方を忘れる。


「コウ?」

「まだ総務がいる」

なんだ。私を見られたくないだけだったなんて。笑えない。


「キスでもしとく?」

「バカか」

そうだよ。美咲の忠告も耳に入らないくらいコウに夢中で。抱きしめられて勝手にドキドキして、期待して。


「明日から面倒だな」

「何が?」

「噂が一気に広まるぞ」

「そうなの?」

「誰といたか聞かれたら、面倒だから彼女って言っとくか」

「うん!言わせてあげる!」

「黙れ。でもまあ、女よけにちょうどいい」


一喜一憂。今の私のための四字熟語だ。
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