俺様とネコ女
一旦車が動いてしまえば、コウの家までの道のりは大通りばかりで意外と大丈夫だった。ウインカーを出したつもりがワイパーが動き出して、その都度「おい!」って怒鳴られたけど。

駐車場にバックで止められなくて、コウが助手席から身を乗り出してハンドルを操作してくれた。何気ない仕草の一つ一つが絵になるくらいかっこよくて、大人で。

私の心はキュンキュンしながら、ギュっとなる。


車から降りたとたん、私に体を預けるコウ。はあああああ、って。ため息大きすぎ。

魂抜けるよ?


「死神が見えた」

「え。友だち?」

「ふざけんな。お前免許返納しろ。世のため人のためだ」

「私ゴールドだよ?」

「乗ってないから無事故無違反なだけだろ」


罵声を浴びながらも、コウの部屋まで大きな荷物を運んでくれた。何かの拍子にどさくさにまぎれて私から繋いだ手は、離さないでいてくれた。
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