俺様とネコ女
「ああ、無事に帰ってこれた」

「もー、まだ言うの?」

「緊張して疲れた」


ドス、ソファーに腰をおろしたコウに、突然腕を引っ張られる。グラリと体が大きく傾き、コウの膝に倒れこんでしまい、体勢を立て直して膝の上に座った。

ふわり、背中にコウの体温を感じる。と、同じくして、長い腕が私を捕らえた。

後ろから抱きしめられてる。


「なに急に。ドキドキする」

「しとけ」


――ギュ、より強くなった腕の力に手を添える。

やめて。コウが欲しくてたまらなくなるよ?コウの特別にして欲しい。


「どうしたの?甘えたじゃん。そんなに仕事が憂鬱?」

「昨日飯ありがとう。うまかった。ネコの絵笑った」

「ん、どういたしまして」


耳元で、甘く囁くような声で、私の欲しかった言葉。嬉しくて震えそう。甘いコウに、とろけそう。
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