俺様とネコ女
女はごそごそとベッドから降りた。近付いてきて、何故か俺の髪の毛を片手で掻き混ぜ、にこりと笑った。

それからゆっくりと歩き、玄関へ続くドアを開けて閉めた。次に、ウォークインクローゼットの扉を開け、また閉めた。散々部屋を彷徨い、バスルームに辿り着いて「はっけーん!」て。

心底嬉しそうな笑顔を見せ、バスルームに消えた。


マジか。本能の赴くままか、こいつ。ひょこっと顔を覗かせて、屈託のない笑顔を見せる。


「着替え出しといてねっ」

自由か!


「トレーナーかパーカーね」

パタンと扉を閉まり、そこから鼻歌が漏れてくる。しばらくして、シャワー音が聞こえてきた。


間違いない。確実にあいつのペースだ。
< 26 / 337 >

この作品をシェア

pagetop