俺様とネコ女
「お前が一緒にいたいって泣くから、言ってやったんだろうが」

「何それ意地張らないでよ。事実でしょ」

「思い出してみろ。今日家に帰ってから、ソファーに座って?」

「コウにどうしたいか聞かれて、コウが手を握ってくれて…一緒にいたいって、ついて行きたいって言った」

「だろ?お前が、言ったんだろ?」


人を見下したような余裕の顔。くやしい!

「私に先に言わせたかったの?それで言うの待ってた?それで”おりこう”発言?」

「気付いたか」

「この俺様男!」

「あ?うるせえネコ女」

「まあ、本当は違うけど」というコウの呟きは、小さすぎて誰の耳にも入らなかった。


「まあまあケンカしないでよ。お祝いに、またケーキ持ってこようか?」

「「いらない」」

「焼酎飲み放題にしてくれたらうれしいな。マスターの奢りで」

それいいなとコウが笑う。


「でも、本当におめでとう」

「「ありがとう」」


またしても、コウとハモって笑う。


「コウくんたちに会えなくなるのか。寂しいなあ」


売上も減っちゃうよ。と正直なマスターが、本当に寂しそうに呟くから、その寂しさが伝染してしまう。

つい、それを払拭しようと明るくふるまう。
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