秘めた恋
「え!?」

びっくりして立ち止まると

「他に言うことはないのか?」と
ぶっきらぼうに聞かれた。

「へ!?」

私は扉側を向きながら固まっていると

「いつまで俺に背を向けているつもりだ。
無礼だろ。」と言われ、すぐさま
「す、すいません!!」と言って回れ右をし
頭を下げて「な、何か他にご用でしょうか!?」と
尋ねた。

彼の重いため息が聞こえる。

あれ、いや待てよ。どこかで聞き覚えのある声だな・・・。

私は下を見ながらそう考えていた。

どこだっけ、どこ・・・。

「いいから、頭を上げろ。」

そう言われゆっくりと顔を上げると目の前には副社長が座っているはずの椅子に
営業のオオハシさんが偉そうに座っていた。

「えええええええ!!!」

思わず彼に指を差しながら「な、な、な、なんであなたが・・・」と尋ねた。
訳が分からず必死に言葉を捻出すると

「なんでって俺が副社長だから。」と彼はさらっと応えた。

「ええ!??」

「副社長は俺だよ。」

「んなバカな・・・。」と半笑いしながら、目を泳がせると
たまたま机上に置いてある書類に目が入った。
そこには東郷和馬と書かれた書類に紛れもない彼の顔写真が貼り付けてあった。

「どーだ、お前が憧れてた副社長は。いい男だろ?」と彼は意地悪そうに言ってきた。

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