君は囁く~涙とともに~
「唯、道覚えてんの?」
「覚えてるに決まってるじゃん!
あぁ、光ちゃんは方向音痴だもんね。
じゃあ私に着いてきてー!」
朝から元気な唯は、走り出す。
「おい!
何で走ってんだよ!」
「だって、ゆっくり歩いてて遅刻したら嫌だもん!
後…十分!」
十分…。
この距離を十分かぁ。
歩いたら、まぁ間に合わないな。
走ったら……間に合うけど、疲れるじゃねぇか。
…だったら遅刻する方がいいって。
俺がどんなにそう思っても唯は走り続ける。
置いていかれたら遅刻どころか迷子になって学校にたどり着けない可能性だってある。
…走るしかない、か。
俺は諦め、走って唯の後に着いていった。