印毎来譜 「俺等はヒッピーだった」
1974年1月11日 ビリガンジーのホテルで目が覚めた。
廊下で寝かしやがって、背中痛え。
しかも一晩中だれかが喧嘩してた。
空いてるのに高い金払わねえと泊めねえ、このホテルが悪い
そりゃ怒るわ。 でもホテルは強気、一切負けない。
しかしインド人はよくケンカする。我を通しまくる、
てめえの理屈で押す。でも絶対手は出さねえ。
目ん玉ひんむいて顔5cmでも、手は出さねえ。
言うだけ言ってすっきりしたいのか。ガンジーの教えか。
あー、もうカトマンズ行きてえ。
国境まで来たのにモタモタしやがって。
誰でも偉そうな態度なのに誰も責任とらねえ。
俺等はガンジーじゃねえぞ。堪忍袋も切れるときゃ切れる。
むちゃくちゃ言いやがったらぶっとばす。
朝飯食ってバス停行ったらもう満席。 ほんとかよ。
おんぼろバスのくせに予約制? 怪しいじゃねえか。
隣にもガッカリ組アメ公4人。いい知恵はねえか。
「トラックだ。トラックで行こうぜ」
おお、それだ。バスもあてになんねえしな。
トラックつかまえに広場に行くが一台もいねえ。
広場の飯屋でチャイ飲みながら待つ、2時間。
頭にぼろ布巻いた運ちゃんが来た。
「カトマンズまで一人15rpだ。明後日なら乗っけてやる」
ヴァッキヤロ、冗談こけ。情報は6から10rpだぞ。
荷台で15はボリすぎだ、ばかやろ。
だって、カトマンズまで180キロだろ、それを一晩かけて?
しかもあさって出発?バッキヤロ・・またケンカもう疲れた。
ホテルでアメ公達と相談。裏情報によるとホテルの野郎に5rp、
袖の下払えば明日のバスがとれるって。
そういう仕組みか。ぼったくりバスめ。
ここに居てもしょうがねえ。ぼったくり野郎呼ぶか。
「よう、お前、ほんとに明日出るんだろうな。俺等待てねえよ。
嘘だったらてめえの金玉引っこ抜くぞ、こんのやろう」
凄味きかして怒鳴ってやった。
4人で20ルピーもワイロ払って明日のバスチケット買った。
昼飯食ってたら、汚職野郎が来た。
「バスは故障だ。出発は明後日だ」
なにーこのやろう! お前等一体なんなんだ。
アメ公、汚職野郎の首ったま捕まえてファックユー!
いいかげんにしろ。もうお前等信用できねえ。
サノバビッチだファックだシットだブルシットだ。
でもよ、ほかのバスだって満員だぜ。どうする・・・。
しょうがねえ・・・ったく、足元見やがって。
おい!ほんとに明後日だろな。てめえこんど遅れたらぶち殺す。
ちっきしょう、いつんなったらカトマンズ行けんだ。ンナロー
1月12日 寒いし臭えし、早く出たい。
チケットはきょうじゃねえけど、また騙されたらヤバイ。
様子見で朝6時バス停に行ってみた。
なんと! バスは満席じゃなくてもう出発したって。
故障なんかしてねえ。
うーーワン グアン グアン
もう我慢できねえ、詐欺野郎め。ぶっ飛ばしてやる。
ホテルまで走って汚職野郎つかまえた。
「てめえ!このバカどしてくれんだ。騙しやがったな。
バスは出たぞ。故障なんかしてねえ 満席でもねえ。
金返せ! ほら返しやがれ!」
野郎、顔色も変えず返した。 何? 慣れたもんだくそ野郎
・・そういうことか。あほらし。
インドの常識とのケンカだが・・疲れる、馬鹿らしい。
とりあえず飯食おう、飯。ろくなもん食ってねえから腹立もつ。
バザール行って屋台に入る。
ちっきしょ、もうこうなったら片っ端から食ってやる。
おやじこんにゃろ、あるだけ全部持ってこい!
・・って言ったってチャパティとカレーしかねえ。
そんなもんいらねえ、奥行ってさがすぞ。こんにゃろ
腹減って気が立ってっから、すごい。
ほーら、なんだこりゃ。ひよこか?
おやじ、飛ぶ真似、泣き真似・・スズメか。
なんだっていい食うぞ!
スズメの丸焼きでウイスキー一杯入ったら少しは収まった。
「あーあ やられたな」
朝いちでバス停行ってそこで買えってことだ。
予約なんか関係ねえ。ガキ座らして席とって上前はねる、
そういう仕組みだ。
スズメ食ってホテル戻った。ぐぁ
あーあ、またこのホテルで一晩か、余計な金使うぜ。
なんかまともなもん食おうぜ。スズメじゃしょうがねえ。
酔っ払い4人組、村で一軒だけのまともなレストランに行く。
一応入口があってテーブルもある。高そうだが関係ねえ。
おお、焼きそばもあるぞ。いいじゃん。
バフライス? チャーハンか。よっし食うぞ、闇酒も出せ。
3日ぶり、腹いっぱい食った、飲んだ。4人で20ルピー。
満足満足。っひぇっひぇ 10時頃千鳥足で帰った。
水谷に日本で返すからってまた50ドル借りた。
パキスタン国境で取られた500ルピー、あれさえあったら。
でも水谷さ、わかんねえなインド。
一カ月居るのにケンカばっかりだ。
ゴア以外全部腹立ってたもんな。俺等が悪い気がしてきたぜ。
・・・腹いっぱいになると優しくなる。へっへっへ
あんだけ地獄見た生水も、今じゃコップ置いて5分、
ゴミが沈んでボーフラ浮いてきたら、すくって捨てて
上ばみ飲んで下痢もしねえ。毒を入れて強くなった。ぐへへ。
つきまとうバクシーシも目合わせても平気で素通り。
体も頭も慣れちまった。
1月13日 4時起きでバス停へ行く。きょうこそ乗るぞ。
案の定、運ちゃんはもう出発の支度してる。
最初からここに来てりゃよかったんだ。
ひとり12ルピー情報通りの値段で乗り込んだ。
バスは例のサーカス並みの派手派手バス。
人は20人くらい、満員じゃねえが荷物と動物で一杯。
よし出発しろ! 5時 よっし動いた、行けカトマンズだ。
道は土の一本道。舗装なんかない。
山越えの連続でヒマラヤが見える。
噂にゃ聞いてたが、空から降ってきたみてえな山。すげえ
俺等がヒマラヤって騒いでたら、乗客のヒゲおやじが
インド英語でゆっくり演説する。
「君達、あれはヒマラヤでもエベレストでもない。
あれはサガマータシバだ。 いいか覚えとけ。」
偉そうだね、おっさん。
「あれは神だ。登ったら死ぬ。あの水を飲めば死なない」
へへ、おやじわかった。でもよ、登った奴もいるらしいぜ。
新聞にも載ったよ。まあいいか。
でもサガマータって知らねえな。チョモランマじゃねえのか。
おやじネパール人かな。ギラギラしてねえし、いい面だ。
いいぞ、サガマータ村長! 俺等拍手おやじニコニコ。
いい雰囲気になった。こりゃカトマンズは期待できそうだ。
スピードは出せねえし、途中で休憩するし時間かかるわけだ。
11時間、サガマータ見ながらガタガタ走って夕方4時過ぎ。
キャットマンドウ。猫男の村はずれに着いた。
天気はいいが寒い。まあ、標高も高いしな。

ヒッピー情報「カトマンズはグンガロッジに泊れ」
客引きタクシーにグンガって言ったらタダで送るって。
ええ? 裏はねえか? ネパール人は騙す顔じゃねえな。
インドとは違うんだ。よし、乗ろう。
10分で着いた。メイン通りで場所はいい所。
しかも温水シャワー付きでひとり3ルピー。安い。
部屋見てベッド見て便所見てから、4人で晩飯に出た。
これがカトマンズか。空は高い、空気はいい、車は無い。
牛と人と自転車だけ。寺やパゴーダがそこらじゅうにある。
町とは呼べねえ広さだが人は多い。
ほとんど男しか歩いてねえ。女居ねえのか?

レストランマンダリン。焼きそばと焼き飯、チャイで5ルピー。
味は日本人好みで辛くない。箸もある。インドとは違う。
ホテル帰ってカブール以来のお湯シャワー。
うーん、インドとは違うな。落ち着くしだいち腹がたたない。
う~ん、いいぞ~・・寝た。
廊下で寝かしやがって、背中痛え。
しかも一晩中だれかが喧嘩してた。
空いてるのに高い金払わねえと泊めねえ、このホテルが悪い
そりゃ怒るわ。 でもホテルは強気、一切負けない。
しかしインド人はよくケンカする。我を通しまくる、
てめえの理屈で押す。でも絶対手は出さねえ。
目ん玉ひんむいて顔5cmでも、手は出さねえ。
言うだけ言ってすっきりしたいのか。ガンジーの教えか。
あー、もうカトマンズ行きてえ。
国境まで来たのにモタモタしやがって。
誰でも偉そうな態度なのに誰も責任とらねえ。
俺等はガンジーじゃねえぞ。堪忍袋も切れるときゃ切れる。
むちゃくちゃ言いやがったらぶっとばす。
朝飯食ってバス停行ったらもう満席。 ほんとかよ。
おんぼろバスのくせに予約制? 怪しいじゃねえか。
隣にもガッカリ組アメ公4人。いい知恵はねえか。
「トラックだ。トラックで行こうぜ」
おお、それだ。バスもあてになんねえしな。
トラックつかまえに広場に行くが一台もいねえ。
広場の飯屋でチャイ飲みながら待つ、2時間。
頭にぼろ布巻いた運ちゃんが来た。
「カトマンズまで一人15rpだ。明後日なら乗っけてやる」
ヴァッキヤロ、冗談こけ。情報は6から10rpだぞ。
荷台で15はボリすぎだ、ばかやろ。
だって、カトマンズまで180キロだろ、それを一晩かけて?
しかもあさって出発?バッキヤロ・・またケンカもう疲れた。
ホテルでアメ公達と相談。裏情報によるとホテルの野郎に5rp、
袖の下払えば明日のバスがとれるって。
そういう仕組みか。ぼったくりバスめ。
ここに居てもしょうがねえ。ぼったくり野郎呼ぶか。
「よう、お前、ほんとに明日出るんだろうな。俺等待てねえよ。
嘘だったらてめえの金玉引っこ抜くぞ、こんのやろう」
凄味きかして怒鳴ってやった。
4人で20ルピーもワイロ払って明日のバスチケット買った。
昼飯食ってたら、汚職野郎が来た。
「バスは故障だ。出発は明後日だ」
なにーこのやろう! お前等一体なんなんだ。
アメ公、汚職野郎の首ったま捕まえてファックユー!
いいかげんにしろ。もうお前等信用できねえ。
サノバビッチだファックだシットだブルシットだ。
でもよ、ほかのバスだって満員だぜ。どうする・・・。
しょうがねえ・・・ったく、足元見やがって。
おい!ほんとに明後日だろな。てめえこんど遅れたらぶち殺す。
ちっきしょう、いつんなったらカトマンズ行けんだ。ンナロー
1月12日 寒いし臭えし、早く出たい。
チケットはきょうじゃねえけど、また騙されたらヤバイ。
様子見で朝6時バス停に行ってみた。
なんと! バスは満席じゃなくてもう出発したって。
故障なんかしてねえ。
うーーワン グアン グアン
もう我慢できねえ、詐欺野郎め。ぶっ飛ばしてやる。
ホテルまで走って汚職野郎つかまえた。
「てめえ!このバカどしてくれんだ。騙しやがったな。
バスは出たぞ。故障なんかしてねえ 満席でもねえ。
金返せ! ほら返しやがれ!」
野郎、顔色も変えず返した。 何? 慣れたもんだくそ野郎
・・そういうことか。あほらし。
インドの常識とのケンカだが・・疲れる、馬鹿らしい。
とりあえず飯食おう、飯。ろくなもん食ってねえから腹立もつ。
バザール行って屋台に入る。
ちっきしょ、もうこうなったら片っ端から食ってやる。
おやじこんにゃろ、あるだけ全部持ってこい!
・・って言ったってチャパティとカレーしかねえ。
そんなもんいらねえ、奥行ってさがすぞ。こんにゃろ
腹減って気が立ってっから、すごい。
ほーら、なんだこりゃ。ひよこか?
おやじ、飛ぶ真似、泣き真似・・スズメか。
なんだっていい食うぞ!
スズメの丸焼きでウイスキー一杯入ったら少しは収まった。
「あーあ やられたな」
朝いちでバス停行ってそこで買えってことだ。
予約なんか関係ねえ。ガキ座らして席とって上前はねる、
そういう仕組みだ。
スズメ食ってホテル戻った。ぐぁ
あーあ、またこのホテルで一晩か、余計な金使うぜ。
なんかまともなもん食おうぜ。スズメじゃしょうがねえ。
酔っ払い4人組、村で一軒だけのまともなレストランに行く。
一応入口があってテーブルもある。高そうだが関係ねえ。
おお、焼きそばもあるぞ。いいじゃん。
バフライス? チャーハンか。よっし食うぞ、闇酒も出せ。
3日ぶり、腹いっぱい食った、飲んだ。4人で20ルピー。
満足満足。っひぇっひぇ 10時頃千鳥足で帰った。
水谷に日本で返すからってまた50ドル借りた。
パキスタン国境で取られた500ルピー、あれさえあったら。
でも水谷さ、わかんねえなインド。
一カ月居るのにケンカばっかりだ。
ゴア以外全部腹立ってたもんな。俺等が悪い気がしてきたぜ。
・・・腹いっぱいになると優しくなる。へっへっへ
あんだけ地獄見た生水も、今じゃコップ置いて5分、
ゴミが沈んでボーフラ浮いてきたら、すくって捨てて
上ばみ飲んで下痢もしねえ。毒を入れて強くなった。ぐへへ。
つきまとうバクシーシも目合わせても平気で素通り。
体も頭も慣れちまった。
1月13日 4時起きでバス停へ行く。きょうこそ乗るぞ。
案の定、運ちゃんはもう出発の支度してる。
最初からここに来てりゃよかったんだ。
ひとり12ルピー情報通りの値段で乗り込んだ。
バスは例のサーカス並みの派手派手バス。
人は20人くらい、満員じゃねえが荷物と動物で一杯。
よし出発しろ! 5時 よっし動いた、行けカトマンズだ。
道は土の一本道。舗装なんかない。
山越えの連続でヒマラヤが見える。
噂にゃ聞いてたが、空から降ってきたみてえな山。すげえ
俺等がヒマラヤって騒いでたら、乗客のヒゲおやじが
インド英語でゆっくり演説する。
「君達、あれはヒマラヤでもエベレストでもない。
あれはサガマータシバだ。 いいか覚えとけ。」
偉そうだね、おっさん。
「あれは神だ。登ったら死ぬ。あの水を飲めば死なない」
へへ、おやじわかった。でもよ、登った奴もいるらしいぜ。
新聞にも載ったよ。まあいいか。
でもサガマータって知らねえな。チョモランマじゃねえのか。
おやじネパール人かな。ギラギラしてねえし、いい面だ。
いいぞ、サガマータ村長! 俺等拍手おやじニコニコ。
いい雰囲気になった。こりゃカトマンズは期待できそうだ。
スピードは出せねえし、途中で休憩するし時間かかるわけだ。
11時間、サガマータ見ながらガタガタ走って夕方4時過ぎ。
キャットマンドウ。猫男の村はずれに着いた。
天気はいいが寒い。まあ、標高も高いしな。

ヒッピー情報「カトマンズはグンガロッジに泊れ」
客引きタクシーにグンガって言ったらタダで送るって。
ええ? 裏はねえか? ネパール人は騙す顔じゃねえな。
インドとは違うんだ。よし、乗ろう。
10分で着いた。メイン通りで場所はいい所。
しかも温水シャワー付きでひとり3ルピー。安い。
部屋見てベッド見て便所見てから、4人で晩飯に出た。
これがカトマンズか。空は高い、空気はいい、車は無い。
牛と人と自転車だけ。寺やパゴーダがそこらじゅうにある。
町とは呼べねえ広さだが人は多い。
ほとんど男しか歩いてねえ。女居ねえのか?

レストランマンダリン。焼きそばと焼き飯、チャイで5ルピー。
味は日本人好みで辛くない。箸もある。インドとは違う。
ホテル帰ってカブール以来のお湯シャワー。
うーん、インドとは違うな。落ち着くしだいち腹がたたない。
う~ん、いいぞ~・・寝た。