兄貴がミカエルになるとき
何人かの女子生徒が私たちをちら見しながら通り過ぎていく。
学年一でかい女子と韓流アイドル風の男子部の生徒が女子学園の前にいたら、そりゃ好奇の目で見られるだろう。
なんで私を待っていたのか尋ねようとしたとこで、車の音が聞こえた。後ろを振り向くと、真っ赤な車がスピードを緩めて近づいてきた。
のろのろと走る姿が似合わない、いかにも外車って感じの派手な車だ。
道路の端に避けて近づいてくる車を見ていると、運転者の顔が見えそうなくらい手前にきたところでなぜか今度は急にスピードアップして通り過ぎていった。そのとき、聞き覚えのある犬の鳴き声が一瞬聞こえたような気がしたのは気のせいか。
走り去った赤い車を目で追い続けていると、三品君が再び話しかけてきた。
「ちょっと話す時間ある?」
まさか、もしやこれって生まれて初めて「付き合ってくれ」とか告白されるの? と、緊張が背中を走ったが、その緊張感がそのまま顔に出たのか、「あ、別に告(こく)るわけじゃないから安心して」と先に断りを入れられた。
ドギマギした自信過剰な心を見透かされたようで恥ずかしかった。
顔がぽっと熱くなったので、「ごめん、ちょっと急いでいるから」と、彼の前を通り過ぎた。
学年一でかい女子と韓流アイドル風の男子部の生徒が女子学園の前にいたら、そりゃ好奇の目で見られるだろう。
なんで私を待っていたのか尋ねようとしたとこで、車の音が聞こえた。後ろを振り向くと、真っ赤な車がスピードを緩めて近づいてきた。
のろのろと走る姿が似合わない、いかにも外車って感じの派手な車だ。
道路の端に避けて近づいてくる車を見ていると、運転者の顔が見えそうなくらい手前にきたところでなぜか今度は急にスピードアップして通り過ぎていった。そのとき、聞き覚えのある犬の鳴き声が一瞬聞こえたような気がしたのは気のせいか。
走り去った赤い車を目で追い続けていると、三品君が再び話しかけてきた。
「ちょっと話す時間ある?」
まさか、もしやこれって生まれて初めて「付き合ってくれ」とか告白されるの? と、緊張が背中を走ったが、その緊張感がそのまま顔に出たのか、「あ、別に告(こく)るわけじゃないから安心して」と先に断りを入れられた。
ドギマギした自信過剰な心を見透かされたようで恥ずかしかった。
顔がぽっと熱くなったので、「ごめん、ちょっと急いでいるから」と、彼の前を通り過ぎた。