兄貴がミカエルになるとき
その犬型のチョコレートが並んだ下の段には、サッカーボールのラッピングを施した、やはりドイツのチョコレートが置かれていた。
赤や青のキラキラ光る紙に包まれた、小さなサッカーボールが詰まった網の袋を目の前に持ち上げてみた。
「それ、誰にあげるの? あ、もしかして真田?」
お目当てのチョコレートを買い終えた美奈ちゃんが、いつの間にか後ろから覗き込んでいた。
「え、なんで真田が出てくるの?」
私は目の前にかざしていたチョコレートを下ろして振り返った。
「だって真田ってサッカー部じゃない。それに咲季と真田って仲いいし」
確かに同じクラスの真田圭は、一緒に図書委員をしているということもあり、2人で居る機会が多い。
お調子者っぽいけど委員の仕事も真面目にやるし、さっぱりしていて話しやすい。
サッカーにしか興味がないのかと思いきや意外と読書家で、本の話で盛り上がれる数少ない男子だということは
間違いない。
「まあ確かに仲はいいけど、でもラブじゃないよ」
「いいの、いいの。何でもないところから恋心は芽生えるものなんだって」
ちょっと待って。
「なんで私が真田に恋心を芽生えさせなきゃならないの?」
「年に一度の女子イベだよ。誰かにあげたほうが楽しいからいいじゃない。真田、喜ぶよ」
それからまるでチョコレート売り場の店員のように「買え、買え、あげろ、あげろ」とそそのかされて、結局サッカーボール型のチョコレートを買ってしまった。
赤や青のキラキラ光る紙に包まれた、小さなサッカーボールが詰まった網の袋を目の前に持ち上げてみた。
「それ、誰にあげるの? あ、もしかして真田?」
お目当てのチョコレートを買い終えた美奈ちゃんが、いつの間にか後ろから覗き込んでいた。
「え、なんで真田が出てくるの?」
私は目の前にかざしていたチョコレートを下ろして振り返った。
「だって真田ってサッカー部じゃない。それに咲季と真田って仲いいし」
確かに同じクラスの真田圭は、一緒に図書委員をしているということもあり、2人で居る機会が多い。
お調子者っぽいけど委員の仕事も真面目にやるし、さっぱりしていて話しやすい。
サッカーにしか興味がないのかと思いきや意外と読書家で、本の話で盛り上がれる数少ない男子だということは
間違いない。
「まあ確かに仲はいいけど、でもラブじゃないよ」
「いいの、いいの。何でもないところから恋心は芽生えるものなんだって」
ちょっと待って。
「なんで私が真田に恋心を芽生えさせなきゃならないの?」
「年に一度の女子イベだよ。誰かにあげたほうが楽しいからいいじゃない。真田、喜ぶよ」
それからまるでチョコレート売り場の店員のように「買え、買え、あげろ、あげろ」とそそのかされて、結局サッカーボール型のチョコレートを買ってしまった。