兄貴がミカエルになるとき
18年前に大好きな友達を撮影したリチャード。

その写真は一時でもママの人生を彩り、そしてリチャードの人生を変え、ティムさんはママの姿を今も鮮明に心に焼き付けている。

リチャードとティムさんにとっては当時のままの情熱で語れる宝物。

なのにママの中では、誰かが引きずり出さないと、あることさえ忘れられているタンスの中の古着みたいだ。

私が5月に初めて経験したシェリルのコレクションでの緊張や興奮は、この先何年たってもきっと忘れない。

だけど一緒にいたトオ兄はどうだろう。

ママみたいに忘れちゃうのかな。

それともリチャードみたいに大事に記憶の中に残してくれるのだろうか。
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