兄貴がミカエルになるとき
ぬるくてねっとりした液体はすっかりおいしくなくなっていた。

三品君も自分のカップを持ち上げ、底にわずかに残っていた抹茶ラテを飲み干す。

そしてカップを置くと、それを区切りに話題を変えた。

「あのさ、花園リカコって知ってるよね」

もちろん知っている。

だけど、実は忘れかけていたことに今気が付いた。

彼女はもう2カ月も学校を休んでいる。驚いたのは三品君からリカコの名前が出たことと、そしてたった2カ月でクラスメイトを忘れかけていたことだった。

「三品くんも知り合いだったの?」

「中2のときにうちの会社のイベントに来ていて知り合った。父さんの遠い、遠い親戚になるらしい。彼女、学校休んでるでしょ」
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