兄貴がミカエルになるとき
私とリカコが同級生で、彼女が新学期から学校に来ていないのを知っているということは、日常的に連絡を取り合っているほど親しいということだろう。

それなら彼女を通して私の嗜好を知るのは簡単だ。

本当に読んでいた本が偶然一緒だった? 

胡散臭い偶然だね―――リチャードの流暢な日本語が蘇る。

今まで信じていた三品君の言葉に靄がかかった。

でも本の趣味が一緒だったというのが嘘だとしたら、私に近づいてきた本当の理由は何だろう? 

それになんで今、リカコの話を持ち出すのかな。

三品君の表情は、さっきと比べて3段階ほどトーンが落ちている。

リカコはそれほどまでに深刻な状況なのか。
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