兄貴がミカエルになるとき
「嫌いなんじゃなくて、妬ましいんだと思う」

「妬ましい?」

「そう。彼女の夢って知ってる? モデルになること。でも背は高くないし、顔も小さくない。残念だけど全体的なバランスはそれほどよくない。顔は変えられても骨格は変えられない。読者モデルとかティーンズ向けの雑誌モデルならなんとかなるかもしれないけどね。だけど君は背も高くて細いし、顔も小さい。彼女がなりたい体型そのまんまなんだよ。きっと、うらやましいんじゃないかな」

私はこれまでリカコから放たれた様々な言葉の仕打ちを思い出してみた。

一反木綿から始まって、でかくてうっとうしい、ダサい、目障り、邪魔、女じゃない、あ、これはリカコじゃなくて真田が言ったんだっけ。

とにかく羨ましがられているとは到底思えない。

「いや、私への当たりの強さから考えて、でかい私が心底嫌いだとしか思えないけど」
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