兄貴がミカエルになるとき
ダレノコト?

私を含めた3人が思考する。

その気配を感じ取ったパパは「男子部の学生だよ。君と友達になりたいって申し込んできた」と、後を続けた。

ああ、三品君のことか。

まあ日本語でいうボーイフレンドという意味では正解だけど。

「そういえば最近はどんな感じなの?」

缶ビールを再び口元に運びながらママがその話題に乗ってきた。

ママがこの手の話に乗ってくるとしつこいので、私はなるべくあっさり答える。

「サンマルクで2回お茶しただけ」

「他には誘ってくれないの?」

ほら来た。

その後もしばらく質問が続くに違いない。

余計なことを言うからと、にこにこしながら会話を聞いているパパを横目で睨みながら「誘ってくれる」と正直に答えた。

そして答えてしまってから、「べつにぃ」と、エリカ様のようにはぐらかすべきだったと後悔した。
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