兄貴がミカエルになるとき
しばし沈黙。

真田は頭を下げたままで、頭頂のつむじが目の前に見える。

左巻きだなと、どうでもいいことを確認する。

「わかった。許す。友達やめようかと思ったけど、やめるよ」

「え! やめるのかよ」

上げた顔が焦っている。

「友達やめるのをやめるんだよ。つまり友だちのまま」

「おお、そっか。おお、よかった。」

「そんじゃあこれ」

真田がコンビニの袋を渡してきた。

なかを覗くとクッキーやポテトチップ、ロールケーキにあんぱんまで入っていた。
< 33 / 307 >

この作品をシェア

pagetop