兄貴がミカエルになるとき
「サキ、想像通り、いや想像以上だ。体のバランスも足の形もパーフェクトだよ」

満足そうな顔でリチャードが投げキッスを投げてきた。

「確かに意外と足が長いじゃないか」

14年間そばにいて、パパは今まで気が付かなかったらしい。

まあ、私自身知らなかったわけだから無理はない。

「顔は私に似て小さいとは思っていたけど、足も私に似て綺麗だったのね」

ママは私を褒めているのか、自分を褒めているのかわからない。

「俺は知ってたよ。でかいだけじゃなくて、体のバランスがいいことを。俺みたいにね」
トオ兄もママと同じようなことを言う。

「これでわかったでしょ、僕が洋服の上からでも身体が見えるって」
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