兄貴がミカエルになるとき
水着姿でボーっとしている間にも話は勝手に進んでいく。
ここに実際にオーディションを受ける本人の意向は全く加味されていない、ということには誰も気付いていないらしい。
オーディションより、パパはママだけ行かせることに不安を抱き、不安といっても女2人だけだと現地で襲われるとか、窃盗に合うとか、そんな不安ではない。
リチャードと、まさかの間違いでもあったらどうしよう、という個人的な不安から自分もついていくと言い出して、モンモンは自分ひとり(いや1頭か)だけ置いてきぼりにされるという危機を感じたのか、急にウォンウォン吠え出した。
「大丈夫だよ、俺はお前と一緒にいるからさ」
そう言ってトオ兄はモンモンの顎をなでながら、「すごいじゃないか。やっぱり俺の妹だ。行って来い、行って来い」と、いかにも適当にあおってくれた。
トオ兄はいつだって人ごとだ。
ここに実際にオーディションを受ける本人の意向は全く加味されていない、ということには誰も気付いていないらしい。
オーディションより、パパはママだけ行かせることに不安を抱き、不安といっても女2人だけだと現地で襲われるとか、窃盗に合うとか、そんな不安ではない。
リチャードと、まさかの間違いでもあったらどうしよう、という個人的な不安から自分もついていくと言い出して、モンモンは自分ひとり(いや1頭か)だけ置いてきぼりにされるという危機を感じたのか、急にウォンウォン吠え出した。
「大丈夫だよ、俺はお前と一緒にいるからさ」
そう言ってトオ兄はモンモンの顎をなでながら、「すごいじゃないか。やっぱり俺の妹だ。行って来い、行って来い」と、いかにも適当にあおってくれた。
トオ兄はいつだって人ごとだ。