兄貴がミカエルになるとき
「ねえ、また背が伸びた?」
校門を出たところで私の頭頂を仰ぎ見ながら、久美ちゃんは首を少し傾けた。
「また大きくなったなんて、いきなり心に針刺すようなこと言わないでよ」
「なんで? ずっと言い続けてるけど、マジすごく羨ましい。
咲季ちゃんくらい身長があればもっと高い位置からスパイク打てるし、相手のボールだって止められる。
私は身長が160センチしかないからさあ、ジャンプ力だけでカバーするの、きついんだよねえ」
そう言って今度はくるりと私の正面に回り込み、再び私の頭頂をしげしげと眺めた。
「ねえ、どうしたら背が伸びる? 牛乳もっと飲めばいい?」
「私は背を伸ばしたくなくて牛乳飲むのを止めたけど、久美ちゃんの推察通り、
それでもまだ成長し続けているみたいだから、そしたら牛乳は大して関係ないんじゃない?」
真面目に聞くので、真面目に答える。
「えー、そっちのほうが心に刺さるよ。
テレビでプロ野球の選手が一日に牛乳を二リットル飲んだらすごく背が伸びたって言ってたから、
あんまり好きじゃないけど牛乳力を信じて毎日飲んでいるのに」
そんなに牛乳を飲んだら背が伸びるより横に増えたりしないのだろうか、
下痢してかえってカルシウムを逃したりしないのか、
パパも子供の頃にやっぱり背を伸ばしたくて牛乳をがぶ飲みしたそうだけど、私より背が低い。
牛乳伝説にいろいろ疑問はあるけどそれは言わないことにしよう。
信ずる者は救われる―――――。
もしかしたら久美ちゃんは牛乳力でこれからぐんぐん背が伸びるかもしれない。
校門を出たところで私の頭頂を仰ぎ見ながら、久美ちゃんは首を少し傾けた。
「また大きくなったなんて、いきなり心に針刺すようなこと言わないでよ」
「なんで? ずっと言い続けてるけど、マジすごく羨ましい。
咲季ちゃんくらい身長があればもっと高い位置からスパイク打てるし、相手のボールだって止められる。
私は身長が160センチしかないからさあ、ジャンプ力だけでカバーするの、きついんだよねえ」
そう言って今度はくるりと私の正面に回り込み、再び私の頭頂をしげしげと眺めた。
「ねえ、どうしたら背が伸びる? 牛乳もっと飲めばいい?」
「私は背を伸ばしたくなくて牛乳飲むのを止めたけど、久美ちゃんの推察通り、
それでもまだ成長し続けているみたいだから、そしたら牛乳は大して関係ないんじゃない?」
真面目に聞くので、真面目に答える。
「えー、そっちのほうが心に刺さるよ。
テレビでプロ野球の選手が一日に牛乳を二リットル飲んだらすごく背が伸びたって言ってたから、
あんまり好きじゃないけど牛乳力を信じて毎日飲んでいるのに」
そんなに牛乳を飲んだら背が伸びるより横に増えたりしないのだろうか、
下痢してかえってカルシウムを逃したりしないのか、
パパも子供の頃にやっぱり背を伸ばしたくて牛乳をがぶ飲みしたそうだけど、私より背が低い。
牛乳伝説にいろいろ疑問はあるけどそれは言わないことにしよう。
信ずる者は救われる―――――。
もしかしたら久美ちゃんは牛乳力でこれからぐんぐん背が伸びるかもしれない。