兄貴がミカエルになるとき
「でね、リチャードも昔好きだった人のために日本語を勉強したことがあるっていう話を聞いて、運命的なシンパシーを感じたんだって」
数日後に遅れて日本に来ることになっているリチャードにスカイプ電話して、ティムさんとの会話を伝えた。
「僕はこう見えても女好きで、男に興味ないからなびかないよ、っていつも言っているんだけどなあ」
モニターの向こうでリチャードが苦笑いする。
「こう見えても」って、どう見たってリチャードは女好きだけど、その自意識はないようだ。
「で、もしかしてその日本人て、ママのこと?」
試しに聞いてみた。
「そうだよ。僕がアキのためにどれほど一生懸命日本語を勉強したか。あ、でも昔のことだからね。もちろん今でもアキのことは好きだけど」
やっぱりそうか。
「ということは、リチャードってママの元カレってこと?」
「元カレってナニ?」
「昔の彼氏」
「あー、エックスボーイフレンド? 残念だけど彼氏にはなれなかったんだよ。」
数日後に遅れて日本に来ることになっているリチャードにスカイプ電話して、ティムさんとの会話を伝えた。
「僕はこう見えても女好きで、男に興味ないからなびかないよ、っていつも言っているんだけどなあ」
モニターの向こうでリチャードが苦笑いする。
「こう見えても」って、どう見たってリチャードは女好きだけど、その自意識はないようだ。
「で、もしかしてその日本人て、ママのこと?」
試しに聞いてみた。
「そうだよ。僕がアキのためにどれほど一生懸命日本語を勉強したか。あ、でも昔のことだからね。もちろん今でもアキのことは好きだけど」
やっぱりそうか。
「ということは、リチャードってママの元カレってこと?」
「元カレってナニ?」
「昔の彼氏」
「あー、エックスボーイフレンド? 残念だけど彼氏にはなれなかったんだよ。」