兄貴がミカエルになるとき
リチャードはママが好きで、そしてティムさんはそんなリチャードが好きで、アメリカでの仕事を断ってまで日本にやってきた。

「人の想いはうまくマッチしないね」

「だから人生にはドラマが溢れているんじゃないか」

おかげでリチャードのためにがんばるわよ、というティムさんの意気込みと、リチャードが目をかける日本人娘(つまり私)への嫉妬がごちゃまぜになり、通常のレッスンよりも厳しさが上乗せされていると思われる。

「リチャード、日本に来たらティムさんに優しくしてあげてね」

「僕はいつも優しいよ」

「もっともっと。ティムさんが私に優しく指導したくなるほど、優しくしてあげて」

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