LOVEPAIN


『――はい、××堂、
××店です』


プツリ、と機械音が途切れると、
中年の男性の声が届く



相手は私の勤務するスーパー名と支店を告げるが、
この番号はお客様専用ではなく、

従業員や本社からや、
取引先諸々の専用の回線


私は今迄、遅刻も欠勤もした事なかったので、

この番号に掛けるのは
初めて




『もしもし?

もしもし』


そう繰り返された声で、
電話に出た相手が店長だと気付き、

丁度良かったと思った


他の人から人づてに伝わるよりも、
自分の口から直接言おう




『――あの…、店長ですよね?

鈴木です……』


急に辞める後ろめたさからか、

絞り出したような
小さな声しか出ない


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