LOVEPAIN

「――広子ちゃん、
君は本当に子供の時から嘘付きだよね?

昔、俺が怒ったのを根に持っているんだろ?

お前が居ない時に、
広子ちゃんを家に上げた事があって。

この子が俺がトイレに行った隙に、
俺の財布からお金を抜いてるのを見てしまって……。

つい、俺も強くひっぱたいてしまって。

ほら、父親もあんなのだし、
母親だって他所に男作るような女だし。

お前には黙ってたけど」


旦那さんが悪びれず涼しい顔でそう言うと、

奥さんは少し落ち着きを取り戻しているのが
分かった



奥さんは、私よりも自分の夫の言う事を信じている


そりゃあ、私なんかよりも自分の旦那の言う事を信じるとは思うけど


だけど、信じて貰えず裏切られたような気持ちで、

苦しい



それに、その旦那さんの言葉の通りに、

奥さんも私をそんな風に何処かで思っていたのだろう



あんな親の子供だから……



ずっと、奥さんがそんな私に優しかったのは、

自己満足の同情だったのかもしれない


私が好きで可愛かった訳じゃないんだ……




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