真夜中の魔法使い
人間、本当に危ない時は咄嗟に目をつぶることしかできないようだ。
「きゃっ」
「ちょっと、しっかりしろよ。」
恐る恐る目を開けると、銀髪の少年が、倒れる前に支えてくれたようだ。
声はぶっきらぼうだけれど、再び腕を掴んだ手は先ほどよりも優しくなった気がする。
少年は何の説明もしないまま、早足に歩き始める。
一体どこに連れて行こうというのだろうか。
気がつくと人気のない場所に来ていた。
照明の間隔も減り、遠くからだとどこにドアがあるかさえわかりにくい。
掴まれた手から伝わってくる温もりで落ち着いたミユウは静かに声をかけた。
「あなた、アキの弟さんなのでしょう?」