真夜中の魔法使い

「さあ、僕たちみんな凍りかけてるからね。あったかいお茶を飲んで解凍しないと!」

相変わらず変なことを言っているヨウさんに返事をする者はいなかったが、全員が配られたカップをありがたく受け取り、指先を温めていた。


「とりあえず、これでもう凍りはしないな。さっさと訳を話してくれ。」


お兄ちゃんは一口お茶を飲むと、ギロリ、と向かい側に座るフレッチャー家の3人に睨みをきかせた。

仮にも目の前にいるのは貴族なのだ、と言ったところで聞く耳を持たないだろう、と何も言わないでおく。そして何よりミユウもこれまでの経緯をきかせて欲しかった。


「すみません。
うちの者が、ミユウとアキを取り違えたんです。」


驚いたことに、しゅん、とした様子でハルトが話し始めた。
落ち込んでいると急に年相応に見えてくるのが可愛らしい。

< 265 / 267 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop