真夜中の魔法使い
「何のこと?
あー・・もしかして、見た?」
ミユウの視線を辿って、アキは察したようだった。
「うん・・ごめん。
首元が赤くなってたから、治そうと思って。でも歯がたたなかったのに。
今は綺麗になってるんだもん。びっくりだよ。」
じっと見ても、全くわからない。
「んー実はこれ、見た目を誤魔化してるだけなんだ。」
感心していると、予想外の返事が返ってきた。
「えっ・・それじゃあ」
「うん。傷は残ったままだよ。」
ヘラ、と笑うアキ。