いつの間にか恋してた。


チラリと明希を見れば明希も少し驚いてる様子だったが、すぐにあたしの顔を見ながら

「へぇー珠紀に話しかけるなんて珍しいな!でも良かったじゃん!」

ニヤニヤしながらあたしを見てくる明希に嫌な予感がした。

「な、何?」

あたしは怪しみながらその続きを聞いた。

「だって珠紀、前から男子としゃ…ッ!痛ってー!!」

……気づいたら足が出てました。はい。

明希の脛(スネ)を思いっきり踵(カカト)で蹴っちゃった☆アハ

明希は涙目であたしを見ながら少しかがんで脛(スネ)をさすっていた。

「ん?何?明希が悪いんだよね?」

あたしはあくまで笑顔で聞く。

「チッ」

返事は舌打ちで返ってきた。

ざまぁだな♪

なんて思ってたら明希が突然ニヤニヤしながら顎(アゴ)で前を見ろと合図を出してきた。

「何…よ…」

バカだ、あたし。

またバカな事してしまった。

「に、し…むら…?」

前方では輝星が固まっていた。

……あーもういいや。

「…あたし達、自分のクラスの列が分らなかっただけ。別に関係ないでしょ?」

ほら、やっぱり。

こうやって冷たくなっちゃうんだよね。

絶対キレてどこか行っちゃうんだろうな…

「え、あ、あぁ…西村たちって一組だったよな?」

あれ?普通に答えてるし…

「え、あ…うん。」

「なら、やっさんと一緒だな。えぇーっと…」

輝星が体育館を覗き込みながら

《やっさん》こと四威 弥彦(ヨツイ ヤヒコ)を捜しだした。

四威って確か凄い身長高かったような…

あ、だから捜してるのか。確かに身長の高い奴って目印になるよね…笑

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